「万が一♡法律相談!」#3【自転車の事故にあった!その時どうすれば!?】
2019年8月16日
- 「万が一、こんなことが自分の身に起こったらどうしよう!?」「プロの弁護士さんに聞いてみたいけど、敷居が高い〜〜〜!」という皆様!万が一の困ったシチュエーションを、女子♡プロお墨付きの弁護士さん『上原先生』にやさしく解説してもらうコーナーがやって参りました!
あなたの聞いてみたい「困ったシチュエーション」も大募集です♡さぁ〜て、こんな時はどうすればいいの!?「教えて〜!!上原先生〜〜〜!!!」
「弁護士の先生に、万が一の時の対処法を聞いてみたい!」という思いから生まれた大人気コーナーのお時間です。
以前「先生に聞いてみたい質問」を募集したところ、色々なお悩みをいただきました!ありがとうございます!!少しずつみなさんの声にお答えしていきますので、楽しみにお待ちくださいね♡
今回も、みなさんからのお悩みに答えてくれる方はもちろん!ノーサイド法律事務所の上原先生!よろしくお願いします〜♡
さて今回は、世田谷ママさん(33)からのこんなご相談。
- このコーナーがとっても好きです!先生の誠実な回答が、今まで思っていた弁護士さんのイメージを変えてくれました!
質問ですが、最近身近で自転車事故が多くて気になっています。我が家の近所は大手の学習塾があり、中高生が夕方から夜にかけて自転車を飛ばしてやってきます。
うちの子どもたち(3歳と5歳)も、何度か自転車に接触しそうになり、危ない!!という経験をしました。ものすごいスピードで音楽を聞きながら来られると、子どもだけでなく大人も危険を感じます。
万が一、事故などになった場合、その場でどういうことをすれば良いでしょうか?また、事故後の対応なども教えていただけると嬉しいです。
今ニュースなどでも自転車事故がよく話題になっているので、頭に入れておきたいです。
みなさんこんにちは。弁護士の上原です。第3回目となりました「万が一♡法律相談」。今回も女子♡プロ スタッフと一緒にお話を進めていきましょう!
よろしくお願いしま〜す!!スタッフの中でも今自転車事故が話題になっていたので、ゼヒ一緒に聞いておきたいです!
そうなんですね!確かに最近は自転車事故も増えてきていますし、いつ自分の身に起こってもおかしくないことですので、ご心配な気持ちとてもよくわかります。みなさんで考えていきましょう!
自転車事故の被害者になった場合、事故現場で【やるべきこと・やるべきでないこと】
さて、自転車事故の被害者となった場合の対応についてですが、まずは、事故現場でやるべきこと・やるべきでないことを簡単にまとめます。
まずそれが知りたいですね!お願いします!
自転車事故の重要ポイント!【相手方の身元確認】について
人命救助や身体の安全が一番の優先ですので、ここからは人命救助や身体の安全の確保されている前提でのお話となります。
そうですよね。まずは身の安全を確保して、警察への連絡をして...。その上でやるべきことが色々あるんですね!
そうなんです。「やるべきこと」はどれも重要なんですが、自転車事故において特に注意すべきところが「④相手方の身元確認」だと思います。(※安全の確保や警察への連絡より優先すべきという趣旨ではありません)
それはなんででしょう?
なぜなら、自動車にはナンバープレートがありますが、自転車にはわかりやすい部分にそのような表示がないからです。
なるほど!万が一そのまま逃げられてしまったら相手のこと何も分からないですもんね!
そうなんです!自動車事故であれば、加害者が逃げたとしても、ナンバープレートから登録情報を捜査し、警察等が加害者を見つけることができますが、ナンバープレートのない自転車は、加害者を特定する手掛かりが弱く、最悪の場合加害者を特定できなくなってしまい、損害を補填してもらうことができなくなる可能性があるということです!
なので、加害者の身元確認として、氏名、連絡先及び住所をしっかりと確認する必要があります。氏名や連絡先が判明していても、住所が判明していないと訴訟等となった場合に非常に苦労することになるので住所まで確認することが必要です。
もうひとつのポイント、【事故状況の記録】について
相手方の身元が確認できたのであれば、「③事故時及び事故後の状況の記録」を意識するとよいでしょう。
記録はどうして必要なんですか?
みなさんも聞いたことがあるかもしれませんが、交通事故には一般的に過失割合という考えが用いられます。
過失割合という考え方は、その事故が起きたことに対する責任がそれぞれそれどれくらいあるかといったことを意味し、10対0や7対3といった風に表現されることが多いです。過失割合は事故態様によって決まってくるものですので、事故がどういった状況で起きたのかということが非常に重要になってきます。
なるほど!でも事故で気が動転してたら何を記録していいか分からなそう!記録するときのポイントはありますか??
衝突場所はどこか、事故が起きたときお互いにどこをどのように走行・歩行していたのか、スピードはどれくらいであったのか、イヤホンをしていたのか、スマホを持ちながら運転していたのか、傘をさしていたのか、事故現場の明るさはどうであったのか、互いに視界を遮るような障害物はあったのか、事故の衝撃で衝突場所からどれくらい飛ばされたか等々を写真やメモで残しておくことが重要です。
なるほど、お互いどんな状態だったかをきちんと残すことで、どちらの責任かがわかりやすくなりますね!
そうなんです。また、ご自身が認識されている事故状況を警察へしっかりと伝えるようにしてください。警察は事故証明書という書類を作成するのですが、後々この事故証明に事故の態様がどのように記載されているかが重要になってきますので、ご自身が認識していることが反映されるようにしっかりと伝えるようにしつつ、加害者が事実と異なることを言うようであれば事実と異なることをしっかりと伝えることも重要になってきます。
そうですよね。後から違うことを言われてこちらの責任にされる場合もありますね。
この観点からも、客観的に事故状況を証言してくれる目撃者を確保し、自分の連絡先を目撃者の方に伝えるとともに、可能であればこちらからも連絡できるように目撃者の連絡先を聞いておくのがよいです。
はい!目撃者の方の協力も大切ですよね。
現場で特に注意すべきことは以上のとおりですが、交通事故にあった衝突が軽微で怪我などしなかった状況でも、念のため病院に行くことをお勧めします。
特に頭を打っている場合は、事故直後は問題がないように見えても、事故からしばらくした後に症状がでてくるといったことが多くあります。
確かに、後から症状が...ってよく聞きますよね!頭を打った場合は特に慎重にならないとですね!
事故にはあわないことが一番ですが、万が一自転車による交通事故の被害者になってしまった場合は、まず生命・身体の安全を確保しつつ、可能な範囲で上述の注意事項を意識した行動がとれるとよいと思います。
また、交通事故は自分が加害者になる可能性もあるものですので、皆さんも外に出る際には周囲の状況に注意しながら、外出を楽しんでください!
そうですね!より気を引き締めて生活します!!先生、今回もわかりやすい回答ありがとうございました!!
それではまた次回!
このコーナーではあなたの「万が一、こんな時ってどうすれば?」という質問をお待ちしています。採用された方は図書カード(1000円分)を進呈のうえ、サイト上で上原先生にお答えいただけます♡
上原先生に質問する!
相談回答 上原弁護士(ノーサイド法律事務所)
企画/協力 Reiko Minami
ライター/撮影/イラスト Chiharu