新コーナー!「万が一♡法律相談!」ケース1
2018年11月9日
- 「万が一、こんなことが自分の身に起こったらどうしよう!?」「プロの弁護士さんに聞いてみたいけど、敷居が高い〜〜〜!」という皆様、お待たせしました!!万が一の困ったシチュエーションを、女子♡プロお墨付きの弁護士さん『上原先生』にやさしく解説してもらう新企画が誕生!あなたの聞いてみたい「困ったシチュエーション」も大募集です♡
- さぁ〜て、こんな時はどうすればいいの!?「教えて〜!!上原先生〜〜〜!!!」
「弁護士の先生に、万が一の時の対処法を聞いてみたい!」そんな女子♡プロ スタッフの思いから生まれたこの企画!答えてくれる方は、こちらのノーサイド法律事務所の上原先生!どんな質問にも、笑顔でやさしく答えてくださいます〜♡
第一回目の今回は、こんな質問から!
大切な服、レストランで汚されちゃった!濡れたナプキンでふかれて「落ちなかったらクリーニング代払いますね!」とは言われたものの...。なんとなく納得がいかないのは私だけですか?(会社員/Aさん)
わかります!実は、女子♡プロ スタッフも、レストランや飛行機で経験あるんです...。
お気に入りの服に飲み物がベシャッ!!でも、そんな場所であまりガミガミ言えなくて「大丈夫です!」なんて言っちゃって後からモヤモヤ...。
もし、「クリーニングで落ちませんでした!」となっても、面倒くさいやりとりしなきゃいけないだろうし、なんとなくお店にも行きづらくなったりで、なんだか損した気分。 訴えるつもりはないけれども、もう少し納得できる解決方法ってありますか??
皆様、はじめまして!弁護士の上原です。
う~ん。これは大変ですね...。せっかくの大切に着ていたお洋服が汚されたらショックは大きいですよね。
「お気に入りのお洋服を汚されてしまった場合に何がいえるのか?」今回はこのテーマについてちょっと考えてみたいと思います。
はい!よろしくお願いします〜!!
いきなりですが、タイトルが「万が一♡法律相談」なので、法律的な話をしますと、今回のケースは、「不法行為に基づく損害賠償請求」のお話になります。
「ふ、不法行為...?そそそ、損害賠償...??」(汗)
いきなり難しいワードが出てきて驚きかもしれませんが、ご安心を。説明致します。
なるほど!「服を汚したことで発生した損害を賠償してもらう」ってことですね!!
その通り!ただ、ここで問題となるのが、今回のケースの「損害」って何???というお話です。
お気に入りのお洋服を汚されてしまった場合に考えられる損害は、
①お洋服自体の価値の低下
②レストランを出た後汚れた服でデート等を続けなければいけない精神的苦痛、テンションダウン
といったところでしょうか。
そうですね。その後、テンションは確かに下がりましたね...。残念ながらデートではなかったんですが...(苦笑)でも、そんな気分的なものって、お金に換算できるんでしょうか??
いい質問ですね!では、それぞれの損害がいくらくらい賠償請求できるのか、詳しく説明していきましょう!
お願いします!!
①お洋服自体の価値の低下について
これは、お洋服がクリーニングで元通りになるのであれば、クリーニング代さえレストランが出してくれれば価値低下はないことになります。
もし、お洋服が元通りにならなかった場合にどこまで賠償を請求できるのか、これは個々の事案によりますが、購入金額全額の賠償は困難となっています。なぜなら、お洋服を購入した金額はその購入時点の価値なので、その後着用や時間の経過により、お洋服の客観的価値はどんどん下がっていくからです。これは新品でも中古でも変わりありません。
したがって、その時点のお洋服の価値分の金額を請求するのが限界となってしまいます。しかし、そのお洋服が今どれくらいの価値であるかなんて正確には誰にも分かりませんよね??
だから、レストラン側としては、正確な金額を賠償することが困難ですので、お詫びとしていくらかをお支払いするのが限界となってしまいます。
そうなんですね~。お詫び程度っていったら、そのお店の割引券とかになっちゃいそう...。
続いて、②精神的苦痛の方について
これについては、非常に悩ましい問題です。
実際にお気に入りのお洋服を汚されてしまったショックはとても大きいと思いますが、その精神的苦痛やテンションダウンといった損害を法律的にどうカバーするのかは非常に難しいです。
法律では、下がってしまたテンションを上げるために、なにか楽しいことをしなさいといったカバーの方法は難しく、最終的には「精神的苦痛等をお金に換算して、お金で解決しましょう」ということになります。
しかし、今回は精神的苦痛等を金銭に換算することが非常に難しいので、②の部分に関して損害賠償が認められる可能性は非常に低いと考えます。
う〜ん!テンション下がったくらいじゃお金に換算できないのか〜!!
以上のとおりですので、結局レストラン側に請求できるのは、原則クリーニング代。
クリーニングで元に戻らなかったときは、追加でそのお洋服の現時点での価値分の費用となってしまいます。しかし、上述のとおり、現実的には現時点での価値の算定が困難ですので、少額のお詫び程度になってしまう可能性が高いです。
なるほど〜。元に戻らなくても「クリーニング代」プラス「少額のお詫び」くらいなんですね〜...。
第1回目から残念な結論となってしまいましたが、「外の世界は危険が溢れている」ということで、いつお洋服が汚れてもいいように、携帯型のシミ抜きなどを持ち歩いて自衛の措置をとりましょう!
以上、弁護士の上原でした!
ありがとうございました〜!
このコーナーではあなたの「万が一、こんな時ってどうすれば?」という質問をお待ちしています。採用された方は図書カード(1000円分)を進呈のうえ、サイト上で上原先生にお答えいただけます♡
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相談回答 上原弁護士(ノーサイド法律事務所)
企画/協力 Reiko Minami
ライター/撮影/イラスト Chiharu